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ベトナム語の学習、習得で最もやってはいけないことは何か

 ペガサスクラブというチェーンストアの取りまとめ団体の主催者であり、イオンやダイエーなどの巨大流通企業やサイゼリヤニトリの指導者として知られている渥美俊一氏は、2007年に『流通革命の真実』という著書を出版されています。
 その著書に日本マクドナルドの創設者である藤田田氏から相談を受けてコンサルティングを行っている様子が描かれている章があるのですが、

 藤田はたいていの課題について、最初に「何がコツか」「絶対にやってはいけないことは何か」という二つの質問を繰り返しました。これは、藤田がドライ商法、つまり少数の課題だけを完全かつ徹底的に追求し、実現しようとする商売の基本態度を理解していたことを物語る質問です。

 *渥美俊一流通革命の真実』ダイヤモンド社、2007年、p200-201

という興味深い一節があります。

  外(国)語の学習、習得(より正確を期すと、「第2言語の学習、習得」)においても、「何がコツか」ということ、そして、「絶対にやってはいけないことは何か」が存在しているのではないでしょうか。

  ベトナム語の学習、習得に関してもそのようなことが言えるのではないかと考えていますが、「何が一番大事なコツなのか」ということはひとまず棚上げして、「最もやってはいけないことは何か」ということを1つずつ挙げるとすると、次のようなことになるのではないかと思われます。

 

ベトナム語の学習、習得で最もやってはいけないことは何か

 

 ベトナム語の学習、習得で最もやってはいけないこと、それはベトナム語の発音を日本語の発音に当てはめ、ベトナム語のことばやフレーズをカタカナの日本語ルビで覚えて使おうとすることではないでしょうか。

  ベトナム語(中国語やタイ語のように)声調があり、母音、子音の種類も多く、英語やフランス語よりも発音体系が複雑な言語です。そのため、カタカナの日本語ルビで覚えたベトナム語はほぼ通じないと思われます。日本語と英語以上に発音体系に大きな差があるベトナム語をカタカナで表記してもほぼ役に立ちません。

  大変残念なことですが、日本で出版されている大半のベトナム語の教科書や参考書には、ベトナム語の語彙や文章に日本語のカタカタのルビが併記してあるものが多いようです。日本語のカタカナのルビがふってあることで、日本語の発音を当てはめても何とか通じるベトナム語になるのではなかろうかと誤解されてしまう方々がいらっしゃるかもしれませんが、実際はカタカナのルビはほぼ役に立ちません。繰り返しになりますが、ベトナム語の日本語によるカタカナ表記と実際のベトナム語の発音には日本語と英語以上に大きな差があるためです。ベトナム語のことばやフレーズをカタカナの日本語ルビで覚えて、覚えたことばやフレーズをお話されても、ベトナム語のコミュニケーションではほぼ使い物になりませんので、ベトナム語の発音であらためて覚え直していただくしかありません。